就職できる世界を狭めていないか [仕事に就くために]

就職氷河期ということで、新卒学生の就職内定率が伸びないと報じられている。
リクルート・スーツに身をくるみ、足を棒にして説明会に臨んでいる姿がテレビ画面に表れる。
「不況だからなぁ・・・・」と、見る者はごくごく普通の気持ちを抱く。

だけど、考えてみよう。本当に、仕事は無いのだろうか。
多数の外国人労働者が就労している。
  飲食店やコンビニで、慣れない日本語で接客する。
  介護の現場でも、ヘルパーさんは外国人。
  また、地場産業の工場や、農家の働き手として、黙々と働く。
  慣れない仕事に打ち込み、汗を流す。
仕事が厳しいから、賃金が安いから、と言って日本人は見向きもしない。
そんな分野で働き、日本の社会を支えている。

手にした金は、祖国に送る。
日本の社会に還元するのではない。
一人一人の賃金は安くても、多人数で稼いで送金する額は、祖国の経済に寄与している。

 つまり、本来なら、日本人が日本国内で稼いで消費する金が、海外に流れ出て行くのである。

 日本は輸出で稼いでいる、と言いながら、
 人的労働を外国人に依存して、結果として金を流出しているのである。

厳しいのに十分な収入にならないという仕事を忌避している日本の若者。
楽して程々の収入を得たい、という本音。

自分の可能性を試すために新天地に飛び込んでみよう、という若者らしい意気込みは何処へ行ってしまったのか。
仕事を覚えるために授業料を払うのだと考えたら、厳しくても、貴重な経験を積める機会を選び取るだろうに。

楽して程々の収入を。
そんな人材を、企業は採用するだろうか。
グローバル化の波で、世界を相手にしなければならない時代である。

市場開拓であれ、工場移転であれ、一から関係を切り開かねばならない海外での仕事に情熱を注げる人材こそが、企業のこれからを担える人材なのである。世界に目を向け、自ら世界を相手に仕事をする人間が欲しいのである。将来の幹部候補生は、グローバルな仕事が出来る人間からしか育てようが無い、と言えよう。

企業は、常に人材を求めている。
有名大学の優秀な学生を採り、学校よりも人物本位で採用し、新卒、中途入社、等々、あの手この手で人材確保に努めたことだろう。

だけど、効果が無かったのだろうか。
それとも、人数的に足りなかったのだろうか。
最近では、大手有名企業では、外国人採用枠を大幅に増やしている。
多くの国で教育環境が向上し、専門知識を習得した若者が、熱意満々で職を求めてくるのである。

海外に関係を深めたい企業と、自国の発展のために働きたい若者が、国境を越えて協力し合うことになる。
今は、そういう時代なのである。


仕事を求めて悪戦苦闘する新卒予定者。
今までは、国内の主要大学の学生が競争相手であった。
しかし、今や、国内の日常を支える仕事には出稼ぎの外国人労働者が就き、海外の未来開拓的な仕事には挑戦的な高学歴外国人が就く。
仕事を求めての競争相手は、低賃金でも働く出稼ぎ外国人や、好奇心と熱意に溢れた知的外国人にまで広がっている。
そういう現実を認識して、自分の仕事に対する姿勢を選び取らなければならないのである。

自分が何をしたいのか、では無く、自分は何が出来るのか、と問わなければならない。
自分の意欲を堂々と訴える力。
求人側が求めている力とは、そういう道を切り開く説得力ではないだろうか。
身近な仕事も、世界相手の仕事も、目標への意欲から始まるのである。


今まで、意欲から、どんな能力を獲得してきたか。
これからの人生を、どんな意欲で進もうとしているのか。
これまでの実績とこれからの展望がきっちりと整理されている人間こそが、求められる人材だと思うのである。
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