履歴書は手書きに写真貼付、その意味 [仕事に就くために]

ネットを散策していたら、就職活動について気になる書き込みを見つけた。
エントリーシートや履歴書に関して、
  手書きに拘るのが分からない。
    ワープロ打ちの方が読みやすいのに、と。

また、履歴書に写真を貼らなければ為らないのもおかしい。
    顔の美醜で選ぶ訳ではないだろうし、
    面接で遭うのだから必要ない、という。


            ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

① 履歴書の写真

  高校や大学の入学試験の時、受験の願書に写真を貼ったはす。
  また、学生証には写真が貼られていたはず。

    どうしてか。考えたことは無いか。

  そう、写真は本人確認のために必須なのだ。

 学生には、多種多様な社会的特典が認められている。
    通学のための交通機関や、様々な文化施設での学生割引(学割)料金。
    こういう特典を利用するために学生証を提示する。
    学生ではない人間が、偽って特典を使うのを防ぐためだ。

 また、入試などの資格試験では、願書提出に際して必ず写真が求められる。
    身代わり受験を防ぐためである。
    写真が無ければ、年恰好が似ていれば誤魔化されてしまう。
    公正な選考を実施するために、当然の措置である。


 今までの受験体験や、学生証の利用に際して、
    本人確認をされている、という自覚は無かったのだろうか。

        自分が生きている現実を、しっかり見詰めよう。


② 提出書類の手書き要求

 同じ教室で授業を受けている仲間のノートを、覗いてみたことは無いか。
 或いは、試験前にノートの貸し借りをしたことは?

   同じ授業を受けていても、誰一人として同じノートには為っていない。
     みんな違う。
   同じ借りるなら、あの子のノートが有り難い。
     見やすいから、分かり易いから。
     そういうノートを書きたいものである。

 教室にパソコンを持ち込んでいるから、ノートだって手書きではない。
      そう言う人も居るかも知れない。
 けれども、社会に出て仕事に従事すれば、必ず手書きが必要になる。
 一寸したメモ、伝言を大事な時に、大事な人に渡すことになる。

  接客中の上司に緊急用件をメモにして、応接室の客の前で手渡す。
  大事な顧客に覚え書として、ほんの一言を書いて伝達する。
     そんなことは、日常茶飯事に生じるのだ。
  それを、字を書くのが苦手だから、なんて言っていたら大事な仕事は回ってこない。

  上手でなくても良い、読みやすい字を書けるようになろう。
    必要なら、ペン習字の練習帳でも買ってきてなぞってみよう。
    語学やパソコンと同様に、時間と労力を投入しておく価値は有るのだ。

  昔から、「文字は人を表す、と言うが如し」、である。
    どの様な字を、どの様な並び(文章)で書き記すか、で人物を判断する。
    その判断材料として、手書きでの書類を求められる、と言えよう。


さて、手書き書類の提出を求められるのには、もう一つ重要な要素が考えられる。

それは、集中力。
  消しゴムが使える鉛筆ではなく、ペン(万年筆)かボールペンを用いる。
  誤字脱字は絶対駄目。
  書き間違ったら、修正インクではなく、最初からの書き直し。
  書き終えるまでは気が抜けない。
    集中力を求められるのだ。

  前もって下書きを準備すれば、書き写すことだけに専念できる。
  その分、下書きの作成に時間と労力が必要ではあるが。

  この、下書き作りと書上げまでの集中、‥‥それが応募者に求められているのだ。

仮に、エントリー・シートや履歴書はワープロでOK、という企業であれば、
審査の何処かの段階で、論文試験が課されるだろう。

  2~3時間、部屋に缶詰にされて課題を与えられる。
    最初の30分ほどで、論旨をまとめ、文の構造を組み立てる。
    後は、ひたすら書きまくる。

  漢字を確かめることも、データを引用することも出来ない。

  自分の中にある知識と文章力だけを頼りに、体力仕事で書き綴るのだ。


下書き作りの労力、プラス、書き写しの集中力を、書類提出時に示すか、
知識と文章力、プラス、即興的に書き上げる集中力を、選考場所で示すか、
   時期と場面の違いが有るだけで、
   企業が見極めようとしている内容は同じ、ということである。


手書きの書面を一切見ようとしないで決定される採用。
  それは、人間として期待するのではなく、単なる作業者。
  機械の代用でしかない、と心得ておいた方がよい。

手書き書類を求められる、というのは、人間を見ようとしてくれているのだ。
  選考する側も、書面から人物を知る、という努力が必要になり、
  どの様な人物を採用するかが、企業のこれからを決定する。
  企業の将来を託しての、重要な作業をしようとしているのだ。

だから、手書き書類の提出が要求されたら、精一杯、丁寧に作成して提出しよう。
面接官だけではなく、採用関係の多くの人の目を通って判定されるのだから、
面接場面で必死に訴えるよりも、書類の印象は重要である、と言える。

人を使う立場の人は、知っているのである。
  長い歴史を通じて、人を見ることの重要性を、
  そして、人を知るには文字を見る、という方法が有効である、と。
だからこそ、企業の採用における選考指針として重視されるのである。

タグ:履歴書 写真
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